使用バージョン
Blender: 2.82

今回は Blender の配列モディファイアカーブを使って、ステッチ(縫い目)を作っていきます。 ステッチを付けたいものというと洋服が多いかなと思うのですが、今回は下記のようなローファーにステッチを付けてみたいと思います。

ステッチ(縫い目)の有り無しの比較

大まかな作業の流れ

  1. ステッチを付けたい部分の辺をカーブにする
  2. ステッチをひとつ作り配列モディファイアで数を増やす
  3. カーブモディファイアで位置を調整する

ステッチを付けたい部分の辺をカーブにする

まずはステッチを付けたい部分の「辺」を選択して、Shift + D キーで複製します。 付けたい部分に辺がない場合は、ループカット ( Ctrl + R キー ) などで作っておきます。

ステッチを付けたい位置の辺を選択する

辺を複製したら P キーで分離して別オブジェクトにします。

Pキーで別オブジェクトに分離する
P キーで表示される「分離」メニューから「選択」をクリック

続いて別オブジェクトにした辺をメッシュからカーブに変換します。 オブジェクトモードで複製した辺を選択しておいて、メニューの [オブジェクト] → [変換] → [メッシュ/テキストからカーブ] を選択します。

辺をカーブに変換

これでカーブができました。 ひとまずこのカーブは置いておいて、別の作業に移ります。

ステッチをひとつ作り配列モディファイアで数を増やす

次はステッチとなるオブジェクトを作っていきます。 Shift + A キーから新しく立方体を追加します。 このとき注意したいのが「立方体を追加する位置」です。 この位置はステッチを付けたいオブジェクト(この場合はローファー)の原点の位置と同じにする必要があります。

このローファーはワールドの原点にオブジェクトの原点を設定してあるので、ワールドの原点に立方体を追加します。

オブジェクトの原点の位置に立方体を追加

立方体を追加したら、編集モードで形を編集していきます。 とりあえず下記のような形を作ります。 ステッチですから大きさは小さくします。

ステッチとなるオブジェクト

W キーからスムースシェードに切り替えて、サブディビジョンサーフェスモディファイアを追加して形をなめらかにします。

サブディビジョンサーフェスを追加してスムーズにする

続いて配列モディファイアを追加します。

配列モディファイアで数を増やす

配列モディファイアの「数」を調整して数を増やします。 とりあえず上記の図では 4つに増やしました。 ステッチ同士の間隔は「オフセット」で調整します。

これでステッチの準備ができました。 次はこれをローファーに貼り付けていきます。

カーブモディファイアで位置を調整する

先程つくったステッチにカーブモディファイアを追加します。

ステッチにカーブモディファイアを追加する

カーブモディファイアの「オブジェクト」に先程作ったカーブを割り当てると、上記の画像のようにカーブに沿ってステッチが表示されます。 大きくズレている場合は、ステッチとカーブの原点がズレているのが原因なのでステッチの原点を修正します。

次にステッチの大きさを調整したり、数を増やしていきます。 このとき編集モードでもカーブモディファイアを有効にしておいた方が作業しやすいので、カーブモディファイア内の「編集モードアイコン」をクリックしておきます。

ステッチオブジェクトの大きさを調整

編集モードでステッチの頂点を全部を選択しておき、S キーで大きさを調整します。

次に配列モディファイアの「数」を増やして一周させます。

ステッチの始点と終点との間隔が他と違う

一周させたときに、始点と終点の間の間隔が他と違う場合があります。 このようなときは編集モードでステッチの横方向を少し拡縮(S X キー)してあげます。

ステッチの始点と終点間を調整

調整後、始点と終点の間隔が他と同じになりました。

ステッチが浮いてる、または埋もれている場合は、編集モードで移動(G Z キー)で調整します。

次にねじれ具合を調整します。 カーブを選択して編集モードにします。 Ctrl + T キーで法線方向(ねじれ)を調整します。

カーブの法線方向を調整

これでひとまずステッチの完成です。

ステッチ完成

他の部分も同様にステッチを作り完成です。

全体にステッチを作り完成

今回はステッチを作りましたが、ファスナーなど同じ形を繰り返すオブジェクトは同じようにつくることができるので、いろいろ応用が効くと思います。

参考にさせていただいたページ

Blender Tutorial – 3d Stitching in Blender – YouTube