モーフを読み込むときには Morph Loader Pro が便利でよく使うのですが、最近になってオブジェクトの一部分だけをモーフとして読み込めることを知りました。 例えば左側の半分だけを読み込むとか、逆に右半分だけを読み込むといった使い方ができます。

今回下記の画像のような髪を作ったのですが、胸元にたれている髪を肩越しにするスタイルも Blender で作りました。

胸元に髪がたれているスタイルの髪型
通常のスタイルは胸元に髪がたれています
胸元にたれていた髪を肩越し流しているスタイル。左右両方の髪が後ろに流れています

これを DAZ Studio でモーフとして読み込むときに、ひとつのオブジェクトの左部分、右部分を別々に読み込んでふたつのモーフとして作成してみました。

左右のスタイルを別々のモーフにする

これを実装するのにはもちろん Morph Loader Pro を使用するのですが、それに加えて D-Former を利用します。

モーフを読み込ませたい部分にD-Formerを設定する

まずは左側のモーフを作っていきたいと思います。 準備として左半分だけに D-Former を設定していきます。 モーフを読み込ませたいオブジェクト ( 今回は髪 ) に Create → New D-Former で D-Former を追加します。

オブジェクトにD-Formerを追加する

D-Former の Field の影響範囲はデフォルトで Sphere ( 球体 ) になっているので、これをウェイトマップに変更します。 Scene ペインで D-Former Field を選択しておいて、Parameters ペインの Influence から Influence Mode を「Weight Map」にします。

D-Former FieldのInfluence ModeをWeight Mapに変更する

Tool Settings ペインでは Node Weight Map Brush を開いておきます。 Node Weight Map Brush の Influence Weights の「Add Map」をクリックするとウェイトマップが追加されます。

このウェイトマップにはすでにウェイトが塗られているので、これをいったん「0」にします。 右クリックで表示されるメニューの Geometry Selection から Select All を選択し、すべてのポリゴンを選択します。

すべてのポリゴンを選択する

次に右クリック → Weight Editing → Fill Selected を選択します。

Fill Selectedでウェイトを0にする

下記のようなウインドウが表示されるので、0.0% にして Accept を押します。

0.0%にしてAccept

これですべてのポリゴンのウェイトを「0」にすることができました。

次にモーフを読み込ませたい部分にだけウェイトを塗っていきますが、今回はざっくりと左半分を選択します。 ブラシモードを「Geometry Selection」にして、右クリック → Selection Mode → Marquee Selection でドラッグして選択範囲をつくりました。

オブジェクトの左半分を選択する

つづいて選択した部分にウェイトを塗ります。 右クリック → Weight Editing → Fill Selected で 100% のウェイトを塗りました。

選択した範囲に100%でウェイトを塗る

ウェイトが 100% で塗られている部分は上記のように赤く表示されます。 これでモーフを読み込む準備ができました。

ウェイトの塗られた部分にだけモーフを読み込む

次に Edit → Figure → Morph Loader Pro から Morph Loader Pro を起動します。 Morph Loader Pro の Choose Morphs Files から作っておいたモーフ用のオブジェクトを選択し、下記のように設定します。

Morph Loader Proの設定その1
Name 左側なので L という接尾後をつけました
Create Control Property 新しくプロパティを作るので Yes ( No にしても初回は勝手に作られますが … )
Revers Deformations Yes
Attenuate By Weight Maps → D-Former → Influence Map

Attenuate By はデフォルトでは None になっているので、右クリックして D-Former の Influence Map を選択します。 Attenuate By の Strength は「1」になっているのを確認します。 最後に Accept を押してモーフを読み込みます。

作成されたコントロールプロパティでモーフの動作を確認すると、下記のようにウェイトを塗った左側だけにモーフが適用されました。

ウェイトを塗った左側だけモーフが適用されました

続けて反対側 – 右側のモーフを読み込みます。 D-Former はそのままで Morph Loader Pro を起動して下記のように設定します。

Morph Loader Proの設定その2

今度は右側なので Name には R という接尾後をつけました。 Attenuate By では先程と同じようにD-Former の Influence Map を選択しますが、Strength を「-1」にします。 するとウェイトの塗られていない部分がモーフとして読み込まれます。

ウェイトを塗っていない右側にモーフが適用されました

モーフ読み込み後にコントロールプロパティを操作すると、上記のようにウェイトを塗っていない反対側のモーフができているのが確認できます。

今回はざっくりと左右で分けてしまいましたが、ウェイトを塗った部分にだけモーフを適用させることができるのでいろいろ応用できますね。 また Attenuate By はウェイトマップの他に、フェイスグループ ( Face Group ) やサーフェス ( Surface ) を使うこともできるので、工夫次第でいろいろ便利に使えそうです。

ちなみに「Genesis 8 Starter Essentions」の Utilities の中には、クリックするだけでフィギアの頭部に D-Former の Influence Map を展開する Script があります。

フィギアの頭部だけにウェイトを展開するScript

これと Morph Loader Pro を利用して、全身モーフを Head と Body に分割することもできるようです。 こちらの Youtube 動画でやりかたが紹介されています。

僕もこの動画を見て D-Former を使ってモーフを読み込む方法を知ったんですけどね。

参考にさせていただいた動画

Daz Studio G8 Split Fullbody Morph in to seperate Head and Body Morphs