以前 DAZ のフォーラムでとてもリアルな肌のスクリーンショット (下記リンク先) を見かけました。

Getting skin to look more realistic. Maps? – Daz 3D Forums

テクスチャは Genesis 3 Female の Victoria 7 のもので、Displacement Map と Duel Lobe Specular にバンプマップを追加しているそうです ( 多分ラフネスマップ・スムースネスマップのことだと思います )。

もともと Victoria 7 ( 今は Victoria 8 ) のテクスチャは質感がとても良いと思うのですが、やはりデフォルトのシェーダーのままだとここまで質感は出ません …。 そこで同じように Dual Lobe Specular にラフネスマップを加えて、もっとリアルな質感になるように調整してみました。

Victoria 8 のデフォルトのスキン
調整前: Victoria 8 デフォルトの肌
調整後のスキン
調整後: Dual Lobe Specular にラフネスマップを使用したもの。ツヤの質感が向上しました

下記は Gif です。 おへそのあたりがわかりやすいと思います。

調整前と調整後の比較

おおまかな作業の流れ

  1. Raugthness Map を用意してサーフェスに適用する
  2. Dual Lobe Specular を調整する

Rougthness Map を用意してサーフェスに適用する

まずは粗さ・滑らかさのマップ「Rougthness Map ( Smoothness Map )」を用意します。 Rougthness Map はスペキュラマップやバンプマップのようなグレースケールマップで、黒くなるほど滑らかで、白くなるほど粗くなるという性質があるそうです。

DAZ のフィギアで Rougthness Map が使われているものもちらほら出てきて、 RareStone さんの Nam Terror Set for Genesis 8 FemaleGrace Yong and Grace Yong Hair for Genesis 8 Female(s) ではスキンに Rougthness Map が使われています。

僕は Grace Yong の Rougthness Map のクオリティがとても良かったので、これをそのまま使わせてもらいましたが、テクスチャは自作することもできます。 今回は Materiarize という Windows 用の無料アプリを使ってラフネスマップを作成する方法を簡単に紹介します。

Bounding Box Software – Materialize

まずは上記のリンクから Materialize をダウンロードしてインストールします。

Materialize

起動すると下記のような画面になるので、まずは Diffuse Map にある「O ( Open )」ボタンを押して、Diffuse Map を読み込みます。 今回は Face のテクスチャを読み込んでみました。

Diffuse Mapを読み込む

今回は Rougthness Map をつくりたいので、Smoothness Map の「Create」ボタンを押します。

Smoothness Mapを作成

すると小さな「Smoothness from Diffuse」というウインドウが表示されるので、各スライダーを調整して Rougthness Map を作成します。

Smoothness Mapを保存

調整し終わったら Set as Smoothness ボタンを押します。 すると Smoothness Map に作成したテクスチャが反映されます。

最後に作成したテクスチャを保存します。 Saving Options にある File Format から、JPEG、PING など好きなフォーマットを選択し、Save Project を押します。

そのまま Face 以外のテクスチャも作成していきます。 再度 Diffuse Map の「O」ボタンを押して、Arms などの Diffuse Map を読み込みます。

Arm, Torso, Legsなども作成する

そしてそのまま Smoothness Map の Create ボタンを押します。 先程の設定が残ったままなので、そのまま Set as Smoothness ボタンを押せば Map が生成されるので、最後に Save してテクスチャを書き出します。

Legs や Torso のテクスチャも同じ用に作成します。

Dual Lobe Specular を調整する

続いて DAZ 3D Studio を起動して、Surface ペインから Skin のサーフェスを調整してきます。 作成したテクスチャを Face や Arms などの各サーフェスの Dual Lobe Specular の「Specular Lobe 1 Rougthness」「Specular Lobe 2 Rougthness」に設定していきます。 またスペキュラマップは Dual Lobe Specular Reflectivity に設定します。

Specula Lobe 1 Rougthness, Specula Lobe 2 Rougthnessにラフネスマップを適用

Dual Lobe Specular は、Specular Lobe 1 と Specular Lobe 2 のふたつの粗さをミックスしてツヤを表現しているのですが、そのミックス具合は Dual Lobe Specular Ratio で調整します。

Dual Lobe Specular Ratio を「1」に近づけていくと Specular Lobe 1 Rougthness が強くなり、「0」に近づけていくと Specular Lobe 2 Rougthness が強くなります。 「0.5」で Lobe 1 と Lobe 2 が 5:5 でミックスされます。

Specular Lobe 1 と Specular Lobe 2 の違い

Specular Lobe 1 Rougthness と Specular Lobe 2 Rougthness の数値が全く同じでも、その効果は違うので注意が必要です。

下記は Specular Lobe 1 Rougthness を「0.5」にして Dual Lobe Specular Ratio を「1」にして場合 … つまり Specular Lobe 2 Rougthness は無効化され、Specular Lobe 1 Rougthness のみの状態です。 お腹のあたりを見るとわかりやすいと思います。

Specula Lobe 1 Rougthness のみのツヤ

今度は逆に Specular Lobe 2 Rougthness を「0.5」にして Dual Lobe Specular Ratio を「0」にしてみます。Specular Lobe 1 Rougthness が無効化され、Specular Lobe 2 Rougthness のみの状態です。

Specula Lobe 2 Rougthness のみのツヤ

ふたつを比べると、Specular Lobe 1 Rougthness の方がツヤの範囲が広いです。 反対に Specular Lobe 2 Rougthness はツヤの範囲が狭くなり、ハイライト的なツヤになります。 このふたつの質感を Dual Lobe Specular Ratio で調整して、最終的な質感を決めて肌を仕上げていきます。

参考にさせていただいたページ

Getting skin to look more realistic. Maps? – Daz 3D Forums