前回の記事で作成した DAZ Studio 用の自作髪に、表情やスタイルをつけるためのモーフを設定していきたいと思います。
おおまかな作業の流れ
- DAZ から髪とガイドにするフィギアをエクスポートする
- Blender に髪とフィギアをインポートする
- 髪を変形させる
- Blender から髪だけをエクスポートする
- 変形させた髪をモーフとして DAZ に読み込む
- モーフをアセットとして登録する
DAZ から髪をエクスポートする
前回 DAZ にインポートした髪をモーフを作成するために改めてエクスポートします。
シーンに髪だけを読み込んでおき [File] → [Export] から書き出します。 書き出す際は Wavefront Object (*.obj) 形式にします。
すると下記のようなオプションウインドウが開くので、スケールと座標を確認して Accept ボタンを押します。
Scale は 1%、座標は左から X、Y、Z にします。
髪の書き出しはこれで完了ですが、ガイドにするためのフィギアも同じ要領でエクスポートしておきます。
エクスポートした髪とフィギアをBlenderにインポート
DAZ からエクスポートした髪とフィギアを Blender にインポートします。 Blender を起動し [ファイル] → [インポート] → [ Wavefront(.obj) ] から読み込みます。
その際「頂点の順番を維持」を選択しておきます。 座標は「-Zが前」「Yが上」にしてインポートします。
髪をインポートしたら同じようにガイドにするフィギアもインポートします。
Blender で髪を変形させる
続いて髪を変形させていきます。 今回は胸に垂れている髪を肩越しに後ろへ持っていくスタイルを作りたいと思います。 左側の髪でやってみたいと思います。
変形のやり方は省略しますが、ひと通り作業して下記のように変形させました。
変形させた髪をエクスポートする
変形させた髪だけを選択しておいて [ ファイル ] → [ エクスポート ] → [ Wavefront(.obj) ] から .obj 形式で書き出します。
書き出したときのファイル名がそのままモーフの名前になるので、分かりやすい名前をつけて保存します。 今回は左の髪を肩越しに流したので「LeftShoulderBack」という名前で保存します。
この画面では「選択物のみ」にチェックを入れます。 UVはいじってないので「UV を含む」のチェックを外します。 「マテリアルを書き出す」のチェックも外します。 座標は「-Zが前方」「Yが上」になっていると思います。
そして「頂点の順序を維持」にチェックを入れ、「拡大縮小」は 100.00 にして書き出します。
モディファイアーを使って変形している場合は「モディファイアーを適用」にチェックが入ってるか確認します。
DAZ にモーフとして読み込む
エクスポートした髪をモーフとして DAZ に読み込みます。 まずはシーンにモーフを適用させたい髪を読み込んでおきます。 その際下記のようにフィギアにフィットさせた状態でも構いません。
それでは Morph Loader Pro を使ってモーフを読み込んでいきます。
Scene ペインで髪を選択しておき [ Edit ] → [ Figure ] → [ Morph Loader Pro ] から Morph Loader Pro を起動します。
すると下記のようなウインドウが開きます。
Scale は 100%、座標は左から X、Y、Z になっているか確認します。 Choose Morph Files … ボタンを押して、先程エクスポートした obj ファイルを読み込みます。 読み込んだら「Property Group」を設定します。
デフォルトではグループ名が「Morphs/Morph Loader」となっているはずなので、その部分を右クリックします。 右クリックしたら表示されるメニューの一番上から「Create …」を選択し、好きなようにグループ化します。 このグループは髪の Shaping ペインに表示されるので、自分で分かりやすいグループにしておきます。 僕は「Actor/Style/SideHair」と設定しました。
最後にAccept ボタンを押してモーフを読み込みます。 下記のような画面が出れば成功です。
Scene ペインで髪を選択し Shaping ペインから読み込んだモーフがちゃんと動くかどうか確認します。 作成したグループどおり Actor/Style/SideHair とたどっていくとモーフが読み込まれているのが確認できます。 スライダーを操作すれば髪が変形します。
Blender で変形させたように、胸にかかっていた髪が肩越しに流れています。 エクスポート時やインポート時のスケールや座標が違うとおかしな挙動になるので、うまくいかなかった場合はもう一度確認してください。
また追加したモーフは、デフォルトでは -100% から 100% の間で調節が可能です。 これを 0 から 100% にしたい場合は、モーフの歯車アイコンをクリックして「Parameter Setting」を開きます。
Min が -100.0 % になっているので 0% に変更します。
モーフをアセットに登録する
最後にモーフをアセットとして登録します。 Scene ペインで髪を選択した状態で [ File ] → [ Save As ] → [ Support Asset ] → [ Morph Asset(s) ] を選択します。
すると下記のような Save Option ウインドウが開きます。
Base Data Folder の部分では保存先や Vender Name、Product Name を編集できます。 Properties の部分で作成したモーフにチェックを入れ Accept ボタンで保存します。
アセットとして登録したので、別のシーンを読み込んでもきちんとモーフを使いまわすことができます。