以前の記事「DAZ 3D Studio : dForce でベッドの凹みとシワを作ってみた」では、dForce を使ってベッドに見立てた Cube を変形させましたが、今回は既存のソファーを dForce を使って変形 ( フィギアが座ってる部分を凹ませる )させたいと思います。 以前は D-Former を使ってソファーを凹ませたりしたのですが、dForce を使った方が仕上がりがいい感じだったのでメモ書きです。
ソファーのポリゴン解像度をあげる
まずはソファーのポリゴンの解像度を確認します。 今回使用するソファーは、Free で頂いた Queen Anne Parlor Furniture Part 2 になります。
ソファーのクッション部分のポリゴンを見ると、そんなに解像度が高いわけではありません。 ポリゴンの面の数が少ないと凹み具合も大雑把な感じになってしまうので、Blender でポリゴンを細分化することにしました。
Blender 上でクッション部分だけを選択してから、W キーを押してスペシャルメニューを表示し、「細分化」を選択してポリゴンを増やしました。 加工が終わったらエクスポートして DAZ にインポートします。
DAZ にインポートしたものが下記の画像になります。 クッション部分のポリゴンが細かくなりました。
このままだとマテリアルが設定されていないので、もとのソファーからコピーしてペーストします。
ソファーのクッションだけ dForce を有効にする
次に dForce を使うために、ソファーに Dynamic Surface を設定します。 Scene ペインでソファーを選択した状態で、Edit → Object → Geometry → Add dForce Modifier: Dynamic Surface を選択します。
Dynamic Surface を設定したら、ソファーのクッション部分以外の Dynamic Surface を無効化していきます。
Surface Selection Tool でクッション部分をクリックしてみると、クッション部分は「Cushion」と「CushionPiping」というふたつのサーフェスが適用されているのが Surface ペインで確認できました。
もしクッション部分が独立したサーフェスになっていなくて、ソファー全体でひとつのサーフェスになっているような場合は、クッション部分だけサーフェスを分割する必要があります。
サーフェスの分割の仕方については、前の記事「DAZ 3D Studio : 続・普通のスカートを dForce スカートに変更する」の「ウエスト部分のSurfaceを分割する」の項目で紹介しているので、参照してみてください。
それではクッション部分以外の Dynamic Surface を無効化していきます。 Surfaces ペインを開き、クッション部分以外のサーフェスグループを展開します。
一番下に Simulation グループがあるはずなので、その中の Dynamic Strength を 0.00 にします。 クッション部分以外のサーフェスは、すべてこの Dynamic Strength を 0.00 にして dForce が効かないようにしてしまいます。
最後にメッシュの解像度を Base から High Resolution にするために SubD 化しておきます。 Edit → Object → Geometry → Convert to SubD を選択します。
これでソファーの準備は完了です。
フィギアを配置しタイムラインを設定する
それではいよいよフィギアを配置して dForce をシミュレートしていきます。 ポーズをとらせたフィギアをソファーの上に配置するのですが、ソファーのクッションに接触させずにわざと浮かせた状態で配置します。
つづいて Timeline ペインを開き、0 フレーム目に現在の位置を記録しておきます。
「+」の付いた鍵アイコンをクリックすると、現在のシーンの状況をフレームに記録することができます。
次にタイムラインを右端の最終フレームまでスライドします。 最終フレームではフィギアをソファーのクッションに少しめりこませるように下へ下げます。
フィギアを移動したら「+」キーアイコンをクリックして、最終フレームにキーフレームを追加します。 これを再生すると、フィギアが少し高い位置からソファーに落ちるようなアニメーションになります。
dForce シミュレーションの設定
フィギアも配置したので、いよいよ dForce をシミュレートしたいと思います。 Simulation Setting ペインを開き、Glavity (重力) を 0 にします。 そして Air Resistance ( 空気抵抗 ) を 1.0 まで上げます。
重力はないため、dForce をシミュレートしてもソファーのクッションは落ちない … つまり変形しないはずですが、実際は微妙に変形します。 ポリゴンの形状にもよると思いますが、今回のソファーは下記の画像のようにクッションの端が若干持ち上がり気味になってしまいました。
そこで試しに Self Colide ( 自身の衝突判定 ) を Off にしてみると、この変形が緩和されました。
下記の画像は Self Colide を Off にした状態で dForce のシミュレートした状態です。
続いて Simulation Setting ペインのその他の設定をチェックしていきます。
Start Bones From Memorized Pose | Off |
Frames to Simulate | Animated (Use Timeline Play Range) |
あとはシミュレーションを開始するだけですが、フィギアの服は非表示にしておきます。 服が接触してもソファーのクッションは凹むので、ひらひらしたドレスなどを着用していると意図しない部分が凹んでしまいます。 また髪型がロングヘアーなどでクッションに接触する場合も同様なので、髪も非表示にしておきます。
準備ができたら Simulate ボタンを押してシミュレートを開始します。 するとタイムラインのアニメーションの通りに、少し高い位置からフィギアが落ちる感じでシミュレーションが進み、クッションのフィギアが接触した部分だけが凹んでくれます。
ソファーの凹みを維持しつつ dForce 服をシミュレート
ソファーは凹ませたので、今度は dForce の服をシミュレートしたいと思います。 ただこのまま dForce をシミュレートすると、せっかく凹ませたソファーがもとに戻ってしまいます。 なので Parameters ペインの Simulation グループから、Simulation Object Type を Static Surface に変更します。
こうすると再び dForce のシミュレートを開始しても、ソファーの凹みはそのまま維持されます。
※ただし Clear ボタンを押すと初期状態に戻ってしまうので注意が必要です。
ソファーの Surface を Static Surface に変更したので、重力などの設定を変更して服の dForce のシミュレートをしても、ソファーの凹みは下記の画像のようにそのまま維持されます。